交通事故の法律ブログ2013

ブログ記事一覧

2013年

12月

21日

駐車場内での事故について

今回は、駐車場での事故についてお話します。

 

私たちの法律相談の中では、駐車場での事故についても多くの相談が寄せられています。ある保険会社の統計によると、車両事故の30%は駐車場で発生しているとのことです。

 

そして、そのような駐車場での事故については、どちらが加害者なのか、つまり、事故の責任がどちらにあるのかのトラブルが多くあります。なぜそのようなトラブルが起きるのでしょうか。

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2013年

11月

03日

加害者に課せられる法的責任

事故を起こした加害者は、「刑事」上、「民事」上、「行政」上の3つの責任を負うことになります。

 

①刑事上の責任

事故で人にケガをさせた場合や死亡させた場合には、刑法上の処罰(自動車運転過失致死傷罪、危険運転致死傷罪。懲役、禁固、罰金)が科せられます。

但し、単なる物損事故の場合には、刑法上の処罰はありません。

また、飲酒運転や無免許運転などの行為については、道路交通法によって罰則(懲役、罰金)を受けます。

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2013年

10月

30日

弁護士費用特約について

 交通事故の被害者が加害者に損害賠償を請求する際、被害者の弁護士費用は原則として被害者が自ら負担することになります。

 多くの法律事務所では、弁護士費用は、事件を受任したときの「着手金」、および、事件が解決したときの「(成功)報酬金」という形でいただくことになっており、たとえば、前者が10万円以上、後者が獲得(増額)した金額の10%~20%などということになっています。

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2013年

10月

28日

交通事故診療での健康保険の利用

交通事故の治療にも健康保険を利用することは可能です。

 

ただ、交通事故で重篤な怪我をしたような場合、とりわけ急性期には、種々の制限のある保険診療ではなく、健康保険を使わないいわゆる「自由診療」の方が万全の診療が可能となる、ということも考えられます。また、互助の精神にもとづく健康保険制度は、交通事故のような明らかな加害者が存在する傷害の治療では使用されるべきではない、という考えもあります。さらにいえば、被害者の治療費はどうせ加害者の自動車保険会社が支払うのだから、自由診療によって高額の診療費(健康保険を利用した場合に比べ、2倍以上となることもあります)を得たいという病院側の思惑がある場合もあります。

このようなことから、まれに、”交通事故では健康保険が使えない”かのような説明をする病院等があるようです。

 

しかし、事故による傷害であっても、患者が保険証を提示して保険診療を望めば、病院等はこれを拒むことはできません。

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2013年

10月

05日

自転車に対する道路交通法の規制の強化について

自転車に対する道路交通法の規制の強化について

今回は、いま話題になっています、自転車に対する道路交通法の規制の強化について、簡単にお話します。自転車に対する規制の強化は、次の3つの内容になっています。

 

 

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2013年

10月

03日

自転車の交通ルール

今年の冬までに、自転車の右側走行に刑罰が科されることになりました。 また、この夏には、自転車事故を起こした小学生の親に対して、9500万円の損害賠償を認める判決がありました。 昔は、自転車の交通ルールなんて非常にあいまいに考えられていました。 しかし、自転車ブームの定着化とともに、自転車に対する法規制もどんどん進んでいるようです。 そこで、今回は、自転車の交通ルールについて簡単におさらいしましょう。

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2013年

10月

01日

物損と人身(人損)

今日は、交通事故の物損と人損ということについてお話ししたいと思います。

たとえば、自動車を運転していて追突された様な場合、自動車が壊れるとともに、運転していた方が怪我をします。

この場合、自動車の修理費用、レッカー費用、レンタカー費用など、自動車という「物」が壊れたことに関する損害のことを「物的損害」、略して「物損」といいます。

これに対して、運転手が怪我をしたことによる治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料などを「人的損害」、略して「人損」と呼びます。

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2013年

9月

29日

後遺障害(後遺症)が残ってしまった場合の賠償について

今日は、交通事故の人身損害のうち、後遺障害に関する賠償についてお話ししたいと思います。

事故で怪我をして、入院あるいは通院して治療を続けたものの、結局、完全には良くならずに、症状、すなわち後遺症が残ってしまったという場合があります。

この場合、自賠責保険の「後遺障害の等級認定」というものを受けることになります。

この等級とは、後遺症の内容、程度によって、一番軽い14級から、最も重い1級までの等級が認定され、その等級によって2種類の賠償金が加算されます。

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2013年

9月

28日

事故状況について言い分が食い違う場合

今日は、交通事故において、事故状況についての言い分が、双方で食い違う場合についてお話しします。

たとえば、センターラインのある直線道路で、対向車同士が衝突した場合です。この場合、基本的にはセンターラインオーバーをした車の方が100%悪いという0:100の事故になるのですが、当事者が、お互い、相手のセンターラインオーバーを主張しているような場合、実際の裁判では、何が決め手になるのでしょうか。おおよそ、次の3つが決め手になることが多いようです。 

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2013年

9月

18日

交通事故の損害賠償請求にも時効があります!

交通事故による損害賠償請求権の時効は、被害者が交通事故による加害者及び損害を知ったとき(一般的に交通事故日とされています。)から3年となっています。

または、ひき逃げなどで加害者が分からない場合などでも、交通事故日より20年で時効が成立します。

後遺症に関する損害については、症状固定の日から3年とされています。

 

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2013年

9月

03日

人身傷害補償特約

最近の自動車保険では、「対人賠償」(相手を怪我、死亡させた場合に賠償金を支払う保険)、「対物賠償」(相手の車両などを壊した場合に賠償金を支払う保険)、「車両保険」(自分の車両が壊れた場合に修理費などを支払う保険)といった補償のほかに、特約として「人身傷害補償特約」がついている場合があります。この「人身傷害補償特約」は、事故で自分の側に怪我や死亡といった損害が生じた場合に、これを補償してくれる保険です。

この特約は、次のような場合に役に立ってくれます。

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2013年

7月

27日

被害を受けた場合の自分の保険の活用

交通事故被害を受けた場合、加害者あるいは加害者側の保険に請求するというのは、すぐに思いつくことですが、自分の側の保険についても、その活用を検討すべき場合があります。

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2013年

6月

24日

交通事故でけがをした場合には、 治療中から弁護士のサポートを

交通事故で怪我をした場合、病院で治療を受けることになりますが、治療継続後、どこかの時点で、症状がなくなる(治癒)か、あるいは、症状が完治しないまま、それ以上はいくら治療しても改善が期待できなくなってしまう状態(症状固定)となります。

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2013年

6月

20日

交通事故にあった場合 いつ弁護士に相談すればよいのでしょうか

交通事故にあってしまった場合、いつ弁護士に相談すればよいのでしょうか。

これは、できるだけ早く、すぐに御相談されることをおすすめします。

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2013年

6月

12日

交通事故被害の慰謝料について

交通事故の被害にあった場合の慰謝料についてご説明をしたいと思います。慰謝料という言葉は、みなさんよく耳にされることもあるかと思いますが、どういうことかというと、読んで字のごとく慰め、謝る、その料金ということになります。

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2013年

5月

17日

加害者が任意保険に加入していなかった!

 事故の相手(加害者、運転者)が任意保険に入っていなかったら、相手に十分な資力がないかぎり、損害の賠償は得られないのでしょうか。泣き寝入りをする前に、以下の事項を検討してください。

 

1 加害者以外の請求相手

  加害者(運転者)本人が保険に加入していない場合でも、加害者の使用者(勤務先の会社)が賠償義務を負ったり、車の所有者が賠償義務を負ったりする場合も多くあります。

  そのため、加害者(運転者)本人だけでなく、ほかに請求できる相手はいないのかをよく検討しましょう。  

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2013年

5月

07日

保険会社との交渉はいつから始まるのか

 人身事故にあった場合、保険会社との示談交渉はいつから始まるのでしょうか。

 交通事故で怪我をした場合、あたりまえのことですが、被害者としては、まず、病院で怪我の治療をうけることになります。加害者が任意保険に加入していれば、治療費は保険会社から病院に直接支払われ、被害者としては、さしあたり自己負担なく治療に専念することができます。

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2013年

1月

23日

事故の後日、ケガの症状が現れたら・・・

 事故発生時にはケガの自覚症状がなく物損事故として処理したのに、数日後に体に異常が現れた場合はどうすればよいのでしょうか。

 

 自賠責保険などに対し治療費等を請求するためには、「物損事故」ではなく「人身事故」でなければなりません。

 「物損事故」なのか「人身事故」なのかは、『事故証明書』に記載されます。事故時の警察への報告が事故証明書に記載されますので、物損事故を人身事故に切り替える場合は、警察に届け出る必要があります。

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2013年

1月

15日

自賠責保険と任意保険

自動車、バイクの保険には、自賠責保険と任意保険とがあります。

これらはいずれも、事故を起こして他人に損害を与えてしまった場合に、その損害賠償金を保険会社が代わりに払ってくれる、「賠償責任保険」です(なお、任意保険では、この基本的な「賠償責任保険」に加えて、特約で、自分が怪我をした場合の損害を支払ってもらえる「人身傷害補償」や、自分の車の損害を自分の保険会社から支払ってもらえる「車両保険」などをつけられるようになっています)。

このうち、自賠責保険は、必ず加入しておかなければならない保険であり、加入が強制されるので「強制保険」といわれます。

これに対して、任意保険は、加入するかどうかは各人の自由であり、加入しないからといって罰則はありません。

しかし、普通は、次の理由から、自賠責保険に加えて、任意保険にも加入しておくべきでしょう。  

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