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交通事故被害者自身の保険会社に対する請求

加害者ではなく、「被害者側が加入している保険会社」に対して補償を求めることが有効なケースがあります。

交通事故の被害にあった場合、誰に対して補償を求めますか?まっさきに思いつくのは、加害者に対する請求、あるいは、加害者の保険会社に対する請求です。

 

ただし、加害者の資力や保険契約状況によっては、十分な賠償を期待できない場合があります。また、単独事故などの加害者がいない場合や、被害者側の過失が大きい場合もあります。

 

このような場合には、加害者ではなく、「被害者側が加入している保険会社」に対して補償を求めることが有効なケースがあります。

 

被害者側の保険会社に請求するためには、被害者自身あるいはその家族が、人身傷害補償保険などの交通事故被害のための保険に加入している必要があります。

 

このような場合、保険会社からの補償額は、保険契約の内容に従って決定されます。

 

自動車保険に入る際に、通常は、「ご契約のしおり」あるいは「約款」などと書かれた冊子を手渡されるかと思います。そのような冊子を開くと、事故の際の補償額の計算方法について、非常に細かい字でびっしりと書かれているのです。

 

そのため、被害者側の保険会社に対する請求のケースでは、保険会社から得られる補償額は全て「ご契約のしおり」や「約款」の内容で決まります。

 

そのため、加害者側に対する請求と異なり、交渉や裁判によって金額が変動するケースはあまりありません。

 

しかし、稀にですが、「ご契約のしおり」や「約款」に記載された言葉の解釈によっては、金額が上がるケースもあります。

 

そこで、被害者自身の保険会社に補償を求めるケースでも、一度弁護士に相談いただくことをお勧めいたします。

最終更新:2018/07/23

著者紹介

弁護士 田代 隼一郎 

おくだ総合法律事務所 所属 

平成24年 弁護士登録  福岡県弁護士会所属 

九州大学法学部卒  大阪大学大学院高等司法研究科修了 

 

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